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イタリアの税制とコミュニティー社会

イタリアのコミュニティー社会

 

イタリア人は社交的で人懐っこい、というイメージがありますが、だいたいその通りです。これは国民性もあるのかもしれませんが、どちらかというと、そのような社会文化があるからです。

 

イタリアでは都会でも田舎でも人とのつながりを重視していて、それがイタリアはコネ社会と言われる所以でもあります。

 

孤独になるのがイタリアでは難しく、引きこもりなどもほぼ存在しません。

誰でも普通に生活にしていると、常になんやかやのお誘いが来て、一人になるのが難しいほど。

そういう意味ではイタリアは社交文化先進国かもしれません。

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コミュニティー重視のイタリア

イタリアは文化的にコミュニティーを重視しています。それは古くはカトリック教会の教会コミュニティーから発生し隣人愛の精神で他人と接する、という文化が根づいているからでしょう。

 

教会に通わない人も、そういった共同体文化を継承していて、時とともに形を変えながらも、そのような『つながり文化』を継承し、大切にしています。

イタリアは時間の使い方が仕事一辺倒でないだけあり、余暇や仕事後の時間は、友達や家族と過ごす以外は、そういったコミュニティー活動に当てることが多いのです。

 

よくある例では、スポーツの団体に所属し、政治団体に所属し、文化活動団体に所属しといったパターン。

皆が何がしらの団体に複数所属しているので、イタリアには沢山の団体が存在し、自分たちで費用を賄って運営するか、公的性質が強いものは、市や県に財政支援を要請することが出来ます。

 

起業やビジネスはあまり発展していない

イタリアは非営利のコミュニティー活動が活発なため、経済活動の多くの部分も、コミュニティーの活動が担っています。

非営利とはいっても、実際には営利で、コミュニティー活動専業で生活している人もたくさんいます。

イタリアではGDPの約半分が公的機関によるもの、約3割は『非営利』のコミュニティーによるものと言われており、一般市場経済は全体の経済活動の2割ほどにすぎません。

日本では8割以上が一般市場経済によって成り立っているので、そういう意味で経済体制は日本と正反対と言えるでしょう。

 

税制と結びついた経済

おおざっぱな話にはなりますが、イタリアは税金が高いです。

その理由は自明。一般市場経済を担っている2割が公的機関の経済活動の5割の費用を担いでいるのです。

経済の雲行きの変化で、近年さらに税圧が高くなり、近年の企業はさらなる海外移転か、事業を非営利のコミュニティー活動に組み替えるか、という解決策をとるところが多くなっています。

例えば私の通っているジムも、表向きは『ジム、ウェルネス、フィットネスクラブ』ですが、法人区分では『趣味のスポーツ・コミュニティ』です。

なんだか日曜日の草野球みたいですが、これがイタリアで運営する上の正しい対策なのです。

 

移住の際にはその国の税制を知ることが大切

もしあなたが海外に移住したいと思う場合、その国の税制を知ることはとても重要です。

その点を見落とすと行動計画が思ったように進まないことが多々あります。

短期の旅行では見えてこないのが社会の深いところにあるシステムですので、移住するに際しては専門家の細かい意見を得る前にも、自分で情報を得ながら、その中でどのような生活を構築できるのか、ブレイン・ストーミングすることが大切になってくると思います。